Pycon JP 2019 登壇の感想
感想
資料はこちら。(gifが動きません)
発表動画はこちら。(恥ずかしいので自分では見てません。)
採択率が厳しくてどの発表も質が高く、感想書きたいですが、ひとまず登壇の感想を。
技術系カンファレンスの登壇は初めてでした。
発表を終えた後に多くの方に温かい言葉をもらえて、ずっと一人で戦ってきた競プロIDEですが、
新たな理解してくださる方を得れたような、誰も見てないところに光が当たったような、力強い気持ちになれました。
人生で一回くらいは登壇と前から思っていたんですが、一回終えた今は、「次はもっとすごいのをやりたい!」という思いに駆られています。
あと、プロポーザルと微妙に内容が変わってしまったのは、すいません。。
Rustについて語れなかったり、C++のQtサンプルコードをどうやってPythonに書き換えていくかといった内容は時間の都合上カットとなってしまいました。
限られた時間でRustの文法を聴衆に理解してもらったり話題を増やしたりすると、大事なところの理解度(特にデバッガ周り)が落ちかねないので絞らざるを得ませんでした。
他のトークを見ると時間があれば喋ります、という形の発表内容予告になってたりして、私もそうすべきだったと少し後悔しました。
さて今回のスピーチで伝えたかったのは、Python製IDEを作る技術と、エンジニアとしての自分が抱く狂気・熱情です。
技術だけではいいソフトウェアはできなくて、聴衆が自分用のIDEを作りたいと少しでも思ってくれなければ私のプレゼンはただの情報として消化されてしまうからです。
Python製IDEのポテンシャル
Pythonは普通にIDEを作れる力を持っているし、それからペルセポネやonline-judge-toolsのような優れたライブラリがある。
これらを統合して、今までになかったようなIDEをもっといろんな人が考えてくれれば面白いんじゃないかなと思ってます。
自分の中の狂気
初日の皆さんの発表の熱量を受けて、自分のエモーショナルな部分をぶつけてみたいなと思い、冒頭部分の喋る予定の内容を前日に大幅に変えました。
本番直前に喋る内容が変わったので、大分粗い部分が出てしまいましたが(まあ練習不足なんですけど)、自分の表現したい部分はできました。
なぜIDEを自作したのかという動機を伝える部分において、スライドの内容に沿った無難なオープニングを考えていましたが、
rujaion立ち上げ時からずっと抱いている、素の自分の中の狂気、
「競技プログラミングのUXがこんなものでいいはずがない、地上最高のUXを作り上げてみせる」という熱情、これをダイレクトに伝えるプレゼンにしました。
「一般公道を走るのには適していないがサーキットを超高速で走れるF1マシンのように、競技プログラミングでのみ最高のUXを享受できるIDEを作りたい」 というフレーズで表現しました。
「狂っている」という感想をいただけて、伝わったなと嬉しく感じました。
そもそもF1もそうですし、スポーツは何らかの意味で狂気です。
本来移動手段であるはずの車をそうではなく、グルグル同じコースを回らせて、命がけでタイムを削る。
現実に存在する問題の解決手段であるはずの計算機を使って、架空の問題をわざわざ作って何千もの人がそれを解く。
でもそれこそがエンターテイメントであり、人々を沸かせるわけです。
発表が成功したかはまだわかりません。
技術カンファレンスに行くのは勉強のためというのもありますが、勉強はwebでもできます。
リアルの場でしか伝わらないエネルギー、「私も負けちゃいられねえ」という思いを掻き立てられる熱量、
これこそが私がカンファレンスに求めるところですし、私自身はPycon JP 2019で多くの人から受け取ることができました。
私の発表を聞いて誰かがエネルギーを受け取り、なにかをはじめたくなったなら、幸いです。